4.問題点、今後の展望について

図15:画像の登録・
共有化も簡単である
      「入力」つまりキーボード入力という難点(慣れれば何ともない)を除き、イントラネット自体には何ら問題はない。殆どの問題点、欠点は利用者において存在すると断言できる。つまり参加会員各位が1日1回必ずコンピュータの電源をON にして、医師会サーバにアクセスするかどうかにイントラネットの将来の全てがかかっていると言っても過言ではない。
利用状況の現状は、先に平成11 年7月13 日現在の報告をしたが、同じような状況で、ずっと利用し続けている会員は4〜5人といったところであると思われる。コンピュータが好きかどうか、コンピュータで何ができ何ができないか、コンピュータにあることをさせたい時にはどんな準備(インストール、ソフト開発、知識ベース作成など)が必要なのかを理解した上で、コンピュータを巧く活用する術をもっとよく知れば、イントラネットの活用も活発になるものと思われる。また、急速に増加したインターネット接続によりイントラネット活用が抑制されているだろうという感じも否定できない。
さらに現在のところ1医療機関で1台のマシンが稼働という状況であり、これでは各医療機関の従業員が参加できない。現在IT関連補助金を申請して2台を接続させたいと希望している施設もあるが、将来的には受付、事務室、院長室、診察室、処置室、ナースステーションなどからもイントラネットに接続できることを計画し、参加会員については医師会からの情報周知は全てイントラネットで行いたいと思っている。
なお運用のための経費はかなりかかる。井原医師会では管理のみで約15 万円/ 月の費用が必要である。このほか医師会報の作成やイントラネット用ソフト開発などで常にではないが5万円〜10万円の追加を要している。
      5.まとめ
       

井原医師会イントラネット構築への過程と現在の活用状況を報告した。
主に携わったものとして、まだまだ不十分な活用状況であるが、井原医師会という、ごく小さな学術団体の小さなコンピュータ・ネットワークは、その閉鎖性と個人情報保護に対する安全性からみれば、非常に有用なネットワークのはずである。21 世紀、日本をIT大国にするという夢への実現に向けてイントラネットは、その一部を担う重要なメディアだと思うので、今後の発展的活用を進めて行きたい。

 





 井原医師会イントラネットは企画当初の通信環境などの状況を考え、一般電話回線(ISDN回線)を使ったダイアルアップ方式を選択しました。その為、セキュリティーの問題もクリアし、尚かつ非常に低予算で堅牢なシステムを構築することができました。
 サーバーシステムをインターネット回線に接続し、接続の簡便性を図る案もありましたが、専用線接続の費用(速度の安定しないOCNですら4万円弱)、セキュリティーの問題(ルーター&ファイアーウォールで50〜80万円)、初心者が慣れるための実験期間を置くということで、最初から予算を掛けられない(1年待つことで大幅なコストダウンが予測される)。
 以上の事をふまえた上で、OCN回線の利用と同等のスピードを維持しながらも、非常にコストパフォーマンスの高いシステムが構築できました(その分、多少の慣れが必要ともなった)。
 


 

 

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